平等院を訪れてから読んでいた本。
平等院鳳凰堂 冨島義幸 吉川弘文館
建築だけでなく、仏教美術や密教との関わりにも触れてあって興味深い。
これだけの建築物を現出させた権力と、理想の往生をそこまでして求めさせた側面を考えると往生を願って建てたとしても差引き0にならないのか。また鳳凰堂自体がかなり長い間摂関家の権威を維持する役目も担ったことも併せて考えると、単純に一つの目的だけでは動かない冷静な事業主の目線も感じる。
とはいえ、”理想の往生“のために当時考えうる最高のものを集めて実体あるものとして制作してしまう、実現する意志の力は凄いものだと思う。
文化財や過去の土木構造物を見て、物そのもの、よりもそれを成した人の意志の力や維持してきた人の努力に感動を覚えるようになったあたりで歳を取ったとしみじみと思う。
そういうことをつらつら考えさせられる良い時間だった。