30分間の雪

雪の降り始め

気がつけば年が明けていた。在宅勤務になってから、時間の区切りが曖昧で自分の中でうまく自分の時間と仕事の折り合いがつけられない期間が長かった。一ヶ月近く経って、ようやく自分なりに落とし所が見つかってきた感じがする。

この折り合いを見つけるまでの小休止になっていた年末年始を茫洋と過ごした結果、年末年始の寒波を見逃してしまった。31日に朝イチ始発で京都に行くつもりが、服まで着替えて行く気を無くしたので相当だった。せめて三連休の初日はどこかに出かけよう。そう決めて首尾よく奈良の宇陀方面に出かけたのだった。

行くさきは山中にあるお社の境内にある小さな滝と、氷柱が見られるハイキングコースである。小高いところにあるので、登っていくとあからさまに気温が下がるのがわかるのが例年のことだし、連休前の冷え込みを考えたらかなりの氷が期待できるのでは、目論んでいたのだが行ってみると吐く息が白くならない気温の高さだった。

当てが外れた気分で到着して滝を眺めて30分。その間だけ雪雲が流れ込んできて雪が数センチ積もった。雪国に10年単位で住んでいたので積もる雪には慣れていたが、狙ったように降り積る雪は久しぶりでとても嬉しいものだった。

見る間に均等に白くなっていく風景と、止んで一時間後にはほとんど溶けて無くなっている雪に白昼夢を見ていたような気分になった幸せな半日だった。

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