人間は未知の地域を移動することが快感に繋がっている、という記事を見つけた。即物的に幸福感を得られる幸福回路が人類の脳には配線済みで、それは多様性と新規性を伴う移動をご褒美として強化されていくらしい。
幸せの鍵は新しい場所!人の脳は「移動」を快楽と捉えていた
旅行に出る時の自分を考えると、とても納得がいく。
旅に出る前の不安、心配から一転して、通勤経路をはずれ、非日常の路線に乗ってからの開放感と多幸感。移動し続けている間の気分の高揚。
行き先への期待、日常を離れる興奮というものとはちょっと違う“これこそが人生だ“という感覚が若者と言われる年代をとっくに終わった後もいまだに湧き上がってくるのが自分でも不思議だったのだが、納得がいった。脳内麻薬でハイになっていたのだ。
狩猟採集時代にマッチした報酬系とのことだが、移動をして幸福感を感じれば感じるほど更に移動をし続けていく正のスパイラルが生じるらしい。これを「未知なるものへのあくなき探究心」とでも名付ければなにがなし格好がつくが、その実、脳内麻薬(身体)による意志の操作、ということになる。
旅行のようにある程度計画性や意志決定が必要なものですら、根本のスタートは脳内麻薬による反射反応なのか、と思うとなにがなしモノ哀しいが、移動することで考え事が捗り、なおかつ幸せな気分になるのであれば特に問題はないかと、おとなしく幸福回路に従う気分になったのだった。